JBLのブックシェルフ型スピーカー「S50」ペアです。以下の整備を施しています。・HPFの刷新・コネクターユニットの改修・ツイータードーム内の吸音材交換・化粧パネルの張替えディバイディングネットワークのHPFを調整しています。(写真7枚目右下)直列コンデンサを3.3μFから4.7μFに変更。無名品からパナソニック製のPETフィルムコンデンサに交換しています。これに伴い、後段にあるアッテネータも調整しています。直列部はセメント抵抗から酸化金属皮膜抵抗に変更。LPF側は既存のままです。背面のコネクターユニットの樹脂製ボックスが劣化していたため、同形のものに交換しています。(写真同左下)なお、バインディングポストはオリジナルのものを再利用しています。ソフトドームツイーター内にあるウレタンフォーム製の吸音材も劣化のため、フェルト製に交換しています。前面のホーンパネルの両サイドにある化粧パネルを、木目調金属プレートからウォールナット突板に張り替えています。(写真7枚目右上)ステイン仕上げです。------キャビネット外装は、天面(写真4枚目)と底面(5枚目)に擦り傷があります。それ以外の面は比較的綺麗です。ウーファー前面のネットは、やや毛羽立ちがあるものの、穴や剥がれはありません。背面の銘板シールは、入手時から付いていませんでした。------90年代JBLの高級大型機の出で立ちを、そのままデスクトップサイズに落としこんだような2ウェイシステムです。ウーファーはアメリカ製。ツイーターはフランス製。小型でありながらブランド伝統のバイラジアルホーンを備え、独特の佇まいと音質を持ちます。ウーファーはフィルターで中音をしっかり抑えられ、またツイーターもかなり出力を絞った設計です。そのため、音は現代的なものとは異なり、静かで重いものとなっています。整備では、破損や劣化部の復旧と併せて、高音部を聞こえやすくする調整をしています。ラジアルホーンの弱点とされる最高音域のピークを抑えるとともに、高めの中音を少し持ち上げるチューンとしています。------主な定格・2ウェイ2スピーカー/バスレフ型/防磁設計・寸法:175W x 346H x 254D mm・重量:6.4kg・インピーダンス:8Ω・再生周波数帯域:45Hz~20kHz・出力音圧Lv:86dB/w/m